フェムテックの市場規模や政府推進事業について

Femtech(フェムテック)とは、Female(女性)とTechnology(技術)を合わせて誕生した造語の1つです。
女性の悩み事の中には女性特有の問題も多く、なかなかオープンにできないことも少なくありません。
そんな課題を解決するために生まれたのがフェムテックで、現在様々なサービスの開発が続けられています。
今回は、そんなフェムテックの市場規模や政府が推進するフェムテック事業などについてご紹介します。

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フェムテックの市場規模

フェムテックはドイツで生まれた言葉ですが、2022年のフェムテック市場最大の地域は北米となっています。
世界全体のフェムテック市場は、2022年で324億4,000万ドル、2023年で373億9,000万ドルです。
日本円にすると5兆円以上 となっており、注目度が非常に高いことがわかるでしょう。
2027年には689億ドルまで成長すると予想されており、日本でのフェムテック市場も活発化しているのです。
日本の市場規模は、約600億円と言われています。
日本にもそれだけ悩みを抱える女性は多く、今後もフェムテックの開発が期待されています。

経済産業省が立ち上げているフェムテック事業

経済産業省

多くの女性から期待されているフェムテックは政府からの支持が厚く、支援制度も存在するほどです。
中でも、経済産業省が実施している「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金 」は代表的な支援制度になります。
働き続けたい女性でも、妊娠や出産、更年期などによって離職に迫られることもあります。
そんな女性を減らしていくために、企業や社会全体が一丸となって解決に向けたアプローチをしていこうという制度です。
結果的に人材の多様性が高まったり、企業価値が向上したりするため、企業にとっても大きなメリットがあります。
経済産業省のフェムテック事業に期待できる、3つのポイント を解説しましょう。

女性自身も課題に対して正確に理解できる

女性特有の健康課題

女性特有の健康課題がポイントとなっているフェムテックですが、女性の中でもそのような問題を正しく理解できていないことがあります。
フェムテックをさらに広め、多くの場所で活用するためには、女性を含むすべての人が女性の健康課題に注目して正確に理解すること が必須です。
フェムテックのようなサービスがあっても、問題を意識していなければサポートを利用することも難しくなります。
政府はすべての人がしっかりと健康課題と向き合える、そして解決できるような社会を「新たな当たり前」として、環境づくりを進めたいと考えています。

この事業の目的の1つは、「新たな当たり前」を作っていくために立ち上がった実証事業の支援です。

企業や社会との連携がしやすくなる

企業や社会との連携

フェムテックの製品やサービスは日々開発されていますが、実はそれだけでは女性の健康課題の解決には至りません。
先ほどもご紹介したように、男性からの理解だけでなく健康課題について関心のない女性も存在します。
関心のない企業や自治体もあるでしょう。
そんな中でも女性の健康課題に向き合ってもらえるよう、フェムテック企業と一般企業、フェムテック企業と自治体など、連携していくきっかけを作っていこう と考えたのです。
そういった支援があることで、働く場所や住む場所でもライフステージに合ったサポートが受けられるようになり、課題解決が可能になります。

男女共に働きやすい環境づくり

男女共に働きやすい環境

女性特有の健康課題は、女性自身だけでなく、その周りの人達にも影響を及ぼします。
健康課題を抱える女性が我慢をしたり無理してしまったりすることで、仕事のパフォーマンスが落ちてしまうなど、別の問題につながってしまうのです。
周りの人も女性の健康課題を知り理解することで、働き方を考え直すことやマネジメントの改善などが期待できます。
結果的に家族やパートナーとの関係も良くなる ことが期待されています。
また、このような働きは女性だけでなく、すべての人が働きやすい環境を作っていこうという働きに変わっていくはずです。

すべての人がそれぞれの能力を存分に発揮できる環境を作っていくことにもつながるのがフェムテック事業なのです。

注目の理由はSDGsにも

SDGsの目標5にある「ジェンダー平等を実現しよう」には、フェムテックが欠かせない産業となると考えられています。

ジェンダーは、生物学的な性別ではなく、社会や文化によって作られた性別のことを言います。

「男性は働くもの」「女性は家事をするもの」といった、無意識に決めつけてしまうことをなくし、女性が活躍しやすい社会を実現していこうというのが具体的な目標です。

ジェンダー平等

2021年に世界経済フォーラムから発表された「ジェンダーギャップ指数 」によると、156カ国ある中で、日本の順位は120位となっています。
先進国で見ると最低レベルの順位です。
雇用や賃金の格差だけでなく、国会議員や管理職に就きづらいことや、出産・育児・家事などの負担が偏ってしまうことなどが原因と言えるでしょう。
これらのことから「ジェンダー平等を実現しよう」という目標を身近に感じる女性は多く、日本でも注目度が高くなっています。
フェムテックを活用することで、月経や妊娠・産後のケア、セクシャルウェルネスや更年期などとうまく付き合っていくことが可能になれば、女性が活躍しやすい社会を作っていけるはずです。

妊娠

SDGs目標3の「すべての人に健康と福祉を」にもフェムテックは必要不可欠です。
女性の健康課題の多くは女性特有のものであるため、今までの医療やサービスだけでは解決が難しいとされています。

仕事が忙しい・病院に行く暇がないなどを解決してくれる「ピルのオンライン処方」などもフェムテックの1つです。

他にも生理日管理ツールはもちろん、更年期女性を対象としたオンライン診療のサービスなど多岐にわたります。
このように、SDGsを達成するためのカギとなるフェムテックは、今後もさらなる成長が期待できるでしょう。

フェムテック市場拡大のためにできること

フェムテック市場は盛り上がりを見せていますが、日本だとまだまだ認知度は低いです。
フェムテック市場が拡大することで、夢や理想の人生を叶えられるかも しれません。
女性が活躍しやすい社会を作っていくためには、さらなる拡大が必要になるでしょう。
フェムテック市場拡大のためにできる取り組みは、イベントへの参加が挙げられます。
フェムテックのイベントは、フェムテックブランドやフェムテックサービスを提供している企業など、様々な団体が参加するイベントです。
専門的な知識や情報だけでなく、フェムテックや女性の健康課題など、わかりやすく学べる場の1つでもあります。
商品やサービスを見たり、体験したりすることも可能なので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

イベント

もう1つは、フェムテックのセミナーに参加することです。
セミナーではフェムテックや女性の健康課題に関する正しい知識が学べるため、より自分の体と向き合いやすくなります。
フェムテックについて知りたいけどどうすれば良いのかわからない方は、セミナーに参加してみましょう。
セミナーへの参加者が増えればさらに開催回数が増え、より多くの人にフェムテックについて知ってもらえます。
1人でも多くの人がフェムテックのイベントやセミナーに参加し、知識や情報、商品やサービスを広めていくことで、市場拡大にもつながっていくはずです。

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今回は、フェムテックの市場規模や政府が行っているフェムテック事業、SDGsとフェムテックの関係などについて解説しました。
フェムテックの市場規模を見ると、考えられないほど多くの女性が健康課題を抱えていることがわかります。

自分だけが辛いとは思わず、健康課題をしっかりと理解をして、自分に合ったサポートを受けていくことが解決への近道です。

気になる方は、フェムテックの商品やサービスについて詳しくチェックしてみてください。

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