フェムテックが男性の理解を深められない理由とは?

フェムテックという言葉が女性の間で浸透してきた一方で、男性にはまだ理解されていない面が多くあります。
企業側が積極的に取り組む反面、男性には受け入れられていないのには、いくつかの理由が関係しています。
ここでは、フェムテックが男性の理解を深められない理由についてご紹介します。

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なぜ、男性からの理解が深まらない?

言い争う男女

女性はホルモンバランスの変化、毎月訪れる生理など、日々様々な変化が訪れています。
そのため、自分の体の様子に敏感な方も多く、これらの変化を意識する機会もあるでしょう。

近年、フェムテックというものが注目されてきたため、自分の体や変化と向き合っていく機会も増えてきました。
さらにインターネットの普及により、女性特有の悩みなどを打ち明ける場所や理解して解決する策も知ることができ、より自分自身の変化に正直になる女性も出てきました。

女性の社会進出も積極的になってきたことから、フェムテックの市場規模も大きくなり、2025年には5兆円市場に拡大すると予想されています。

しかし、市場規模が大きくなってきたものの、この市場に参加しきれていないのが男性です。
男性がいる会社では、フェムテック関連の商品を扱っていないという訳ではないものの、なぜか男性への理解が深まっていないのが現状です。
実際にフェムテック製品を企画、販売している「MONA company(モナカンパニー)」が20代~40代の男性を対象にフェムテックに関しての理解度を調査しています。

(参考:https://lasisa.net/photo/31730)

そこで行われたアンケート結果から、「フェムテックという言葉を知らない、内容を理解していない」という回答が全体の約77%ありました。

一方、内容を理解している男性は10%未満であることから、いかにフェムテックの認知度が低いかがわかる結果となっています。

フェムテックについて男性は理解しないわけではない

女性に話す男性

このようなアンケート結果を見ると、男性は女性の体の変化や辛さを理解したくないのかと思ってしまうでしょう。
しかし、男性は決して理解したくないわけではありません。

フェムテックは、「生理から更年期まで女性特有の健康に関する課題を、テクノロジーを使って解決していくサービス」であることを説明した後で、「女性の社会進出にフェムテックが必要かどうか」という内容を質問したところ、必要だと回答した男性が約43%となり、フェムテックの理解が進めば必要性を感じてくれる結果となりました。

これと同時に、生理についての印象や考えを男性に調査した結果、生理そのものはよくわからないが理解したい、辛そう、助けてあげたいという前向きなものが約84%となりました。

この結果から、男性は理解したくないわけではなく、理解を深めたいものの手段や機会がないと予想できます。

男性がフェムテックを積極的に理解できない理由は?

アンケート結果から、男性にもフェムテックを理解する機会があればよいと感じた方もいるでしょう。
しかし、男性としては積極的になれない理由があったのです。
その理由についてご紹介していきます。

思い悩む男性

フェムテックに積極的になれない理由

生理の仕組みを詳しく知らない

男性には生理そのものがありません。
また、生理が起こることは小学生の時に学習したくらいで、なんとなく女性に生理があることは理解していても、実際にどのような変化が体にあるのかは理解しきれていないようです。

生理日管理アプリとして有名な「ルナルナ」が男性1000人を対象に行ったアンケートでは「生理について自信をもって説明できる」と答えた男性は8%にとどまっています。

妻や恋人などパートナーがいる男性は「説明できる」と答えた割合が高くなっていますが、それでも生理について学ぶ機会が少なかった、またはなかったと答える男性が半数以上いたことから、生理などの仕組みを知らないことがフェムテックに積極的になれない理由となったようです。

セクハラにならないか心配だから

生理について、妻や恋人など身近な人と話すことはあっても、職場で話す機会はほとんどありません。
これは男性側も女性側もですが、

職場で生理の話をするとセクハラになってしまうのではないかという心配があるからです。

男性側が積極的に理解を深めたいと思って聞いたことが、相手の女性の気分を害してしまえばこれ以上踏み込んだ対応はできません。
このような職場の人間関係によって、フェムテックに積極的になれない空気があるようです。

(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001010.000002943.html)

フェムテックで男性の理解を深めるには?

考える男女

フェムテックに関して、男性の理解を深めるにはどうすればよいのでしょうか?

男性向けのセミナーを行う

親しい関係のパートナーと、生理やフェムテックの話はできるものの、職場の場合はお互いの関係性からコミュニケーションの取り方に悩む男性も多いでしょう。
そこで、フェムテックに関して理解を深めるには、会社側から恥ずかしいことではないという雰囲気を生み出すことが大切です。
特に男性側から生理かどうかを女性に聞くことはハードルが高く、女性側も恥ずかしいこととして隠すケースも少なくありません。
そこで、男性が女性の生理などについて学ぶセミナーなどを会社側から提供すると、より理解を深めつつオープンにしやすい環境になるでしょう。

男性に生理痛を体験してもらう

2023年10月に開催された「フェムテック トーキョー」では、男性の生理痛体験ができる取り組みが行われました。
独自開発された生理痛VR体験で、デバイスをお腹に貼り付けると刺激を受けるというものです。
男性には生理痛がないので、どのような痛みなのか、どれくらいの痛さなのか、聞いていても想像しにくい部分がありました。
しかし、

体験することで生理痛の痛みの強さ、痛みが続くこと、女性の辛さを感じることでよりフェムテックの大切さ、生理に対する関心などが生まれ、体験が深い理解に繋がると期待できます。

生理痛について考える男女

男性にも体の変化が訪れることを理解する

フェムテックは女性特有の健康や悩みを解消する製品やサービスを示していますが、男性にもメンテックというものがあります。
メンテックは、男性特有の健康や悩みを解消するサービスなどを示すものであり、男性にも特有の機能の衰えや健康の衰えを感じる時期が訪れるということです。

フェムテックは生理、PMS、更年期など女性の体に起こる変化に対してテクノロジーの力を借りて解決していくものです。
一方のメンテックも同様で、男性特有のED、男性不妊、薄毛などを解消していくものとなります。

このように、年齢による変化は男女問わず訪れるものであり、フェムテックもメンテックも必要であるということです。
さらに、男性自身が自分の体の変化を女性に当てはめると考えやすく、理解も深まりやすいでしょう。

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フェムテックは、積極的に取り入れている企業もありますが、まだ半数以上はフェムテックに関しての知識は個人的にあるものの、自分ではどうしたらいいかかわらないケースも少なくないでしょう。
特に男性からの理解を深める機会も少なく、男性側も女性に聞くことがセクハラにならないか不安な点も多いです。
言葉で伝えても伝えきれない部分なども多いため、実際に体験してもらうとより理解が深まることでしょう。

女性の辛さを体験することで、フェムテックに関しての意識も高まっていくと予想できるので、実際にフェムテックに関する学習や体験は大きな効果を期待できます。
女性の辛さを体験すれば、女性の大変さを理解するきっかけにもなります。
この機会に男性もフェムテックを積極的に体験してみましょう。

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