女性なら覚えておきたい腟まわりの知識

腟まわりは体の中でも特に繊細な部位であり、日頃からしっかりとケアをしなければいけません。
しかし、腟に関する知識が身に付いていない場合、様々なトラブルを引き起こしてしまう恐れがあるため、注意しなければいけません、
そこで今回は、女性なら覚えておきたい基本的な腟まわりの知識について詳しくご紹介します。
腟の状態を健康に保つためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

デリケートゾーンはなぜトラブルが起こりやすいのか?

「腟トレ」「腟ケア」など、腟のことに関心が寄せられていますが、「腟のことをよく知らない」という女性も多いため、基本知識を改めておさらいする必要があります。
デリケートゾーンは体の中でも特にトラブルが起こりやすいため、何が原因になってしまうか把握しておくことが重要です。

皮膚が薄い

人間は経皮吸収、経口吸収、経気道吸収によって、体内に物質を取り入れています。
デリケートゾーンは体の中でも特に皮膚が薄く、皮膚から物質を取り入れる経皮吸収率も極めて高いため、外部からの刺激によるトラブルが起こりやすくなっています。

実はデリケートゾーンの皮膚はまぶたの皮膚よりも薄いとされており、まぶたが0.12~0.2mmであるのに対し、デリケートゾーンは0.08~0.16mmと、非常に繊細な部位です。

塗り薬や美容液などは皮膚に成分が浸透することによって効果を発揮しますが、それと同様に汚れが染み込むことで「経皮毒」となり、皮膚に吸収されてしまいます。
経皮吸収されたものは排出されにくいため、トラブルを引き起こす原因となっているのです。

ムレやすい

主な原因となっているのは、サイズが合っていない下着やおりものシート、生理中のナプキン、タンポンなどです。
デリケートゾーンは他の部位に比べて粘膜に近く、通気性も悪いため、「接触皮膚炎」が起こりやすい状態になっています。
人間の皮膚は表皮、真皮、皮下組織から構成されており、表皮には外部の刺激から皮膚を守るバリア機能が備わっています。
しかし、皮脂や汗、乾燥などによって表皮のバリア機能でも守り切れない場合、菌が繁殖し、腟の外側や内側がかぶれてしまうのです。

特に、生理期間中は菌が混ざった経血を吸収したナプキンが皮膚に直接接触するため、注意しなければいけません。

症状が悪化するとにおいの原因になる可能性もあります。

デリケートゾーンのトラブル

構造上汚れやすい

デリケートゾーンは入り組んだ複雑な構造をしているため、他の部位よりも汚れが溜まりやすくなっています。

特に、小陰唇まわりは汚れが溜まりやすいようです。

石鹸で洗い流したつもりでいても、汚れを落とし切れていない可能性があります。
また、正しい方法で洗浄、ケアができていない場合、トラブルを引き起こしやすくなります。
腟まわりの正しいケア方法については後述するので、ぜひ参考にしてみてください。

性感染症によるトラブル

腟まわりは皮膚が薄く、汚れも溜まりやすいため、「性感染症(STD)」を引き起こしやすいです。
性感染症は粘膜同士の接触によって引き起こる病気であり、性器ヘルペスや性器クラミジア、膣トリコモナス症、性器カンジタ症、毛ジラミ症など、様々な感染症があります。

最悪の場合、子宮頸部に発症する「子宮頸がん」を引き起こしてしまう可能性もあります。

子宮頸がんは女性であれば誰もがかかる可能性のある病気であるため、十分注意しなければいけません。
原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染だと言われており、性交経験のある女性に発症する恐れがあります。

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デリケートゾーンの正しいケアの仕方

デリケートゾーンに起こるトラブルや原因などについてご紹介しましたが、あらかじめ予防することも可能です。
ここでは、腟まわりを清潔に保つために欠かせない正しいケア方法についてご紹介します。
非常に繊細な部位なので、日頃からしっかりケアを行いましょう。

デリケートゾーン専用ソープを使う

腟はよく洗えば良いというわけではありません。
まぶたよりも皮膚が薄いため、デリケートゾーン専用ソープを使って洗うことが推奨されています。
ゴシゴシとこすりながら洗っていると、黒ずみの原因になったり、皮膚が傷ついたりしてしまう恐れがあります。
腟まわりを洗う際は、指の腹を使って優しく洗い流しましょう。
Vゾーンは円を描くように、Iゾーンはヒダの溝に溜まる汚れを落とすよう丁寧に、OゾーンはVゾーン同様、円を描くように優しく洗います。
また、熱湯は刺激になる可能性があるため、ぬるま湯で洗い流すのがおすすめです。

トレーニングをする

近年、女性の間で注目されている膣トレとは、骨盤底筋を鍛えるトレーニングのことを言います。
腟や尿道、肛門を締める筋肉であり、骨盤底筋を鍛えることによって、様々な効果を期待できます。
腟トレによって筋肉を動かすと血行が促され、下腹部の冷えを改善できると言われており、生理痛の緩和や腸の調子が良くなるなど、得られるメリットが多いのです。
また、尿もれや子宮脱を予防できるとも言われているため、腟トレに励む女性も増えているようです。
日常生活に適度な運動を取り入れることによって、膣まわりの健康状態は大きく変化します。
運動のほかにも、食生活が骨盤底筋に負担をかけている可能性も考えられるため、一度普段の生活を見直すのもおすすめです。

トレーニング

保湿を欠かさない

顔は化粧水や乳液、美容液などを使って保湿ケアをしますが、腟も同じようにしっかりと保湿をしなければいけません。
正しい方法で洗い流したとしても保湿されていなければ、乾燥によるトラブルを招く恐れがあります。
デリケートゾーンは「エストロゲン」という女性ホルモンの影響を大きく受けているため、年齢を重ねるごとに乾燥しやすくなっています。
日頃からしっかりと保湿ケアをしていれば、健康な状態を保てるので、デリケートゾーン専用のクリームを用意しておきましょう。
セラミドやヒアルロン酸、コラーゲン、トラネキサム酸などの成分が配合されている保湿クリームがおすすめです。

ナプキンをこまめに取りかえる

腟まわりを清潔に保つためには、生理期間中にナプキンをこまめに取りかえることを意識しましょう。
ナプキンをすることによって通気性が悪くなり、ムレやすくなってしまいます。
面倒だからと言って同じナプキンを付けたままでいた場合、雑菌が繁殖し、かぶれやにおいなどの症状を引き起こす可能性があります。
生理期間中は、トイレに行く度に取りかえるのがおすすめです。
また、下着に付いたおりものを放置すると雑菌が繁殖してしまうため、おりものシートなどを使って清潔に保つことも重要です。
ナプキン同様、おりものシートも適度に取りかえることを意識しましょう。

機能性の良い下着を選ぶ

デリケートゾーンに関するトラブルは、着用する下着の影響を受けているケースも多いです。
下着はデザインが可愛いからと言って選ぶのではなく、サイズや通気性、素材などを重視するようにしましょう。
肌に与える刺激が少ない下着を着用していれば、ムレやかぶれなどの症状を引き起こす可能性はありません。

機能性の良い下着

腟まわりに関する知識は女性であれば必ず覚えておきたいものです。
あらかじめトラブルの原因を把握しておくことによって、普段から注意することも可能になります。
デリケートゾーンに関する悩みを抱えている方は、ぜひこの記事を参考にし、洗浄やケアの仕方を改善してみてください。

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