経血が1週間以上出続ける「過長月経」とは?

毎月訪れる月経は、ホルモンバランスや生活習慣などの影響を受けて周期が乱れたり、量が変わったりする場合があります。
そんな生理に関する悩みの中で、今回は経血が1週間以上出続ける「過長月経」について解説していきましょう。
もし最近になって生理が1週間以上続くようになったという方は、ぜひ今回の記事内容を参考にしてみてください。

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過長月経とは?

月経

一般的に、生理は3~7日(平均5日程度)続くとされており、周期で言えば25~38日が正常な月経周期(6日以内のズレであれば問題なし)です。

しかし、生理期間が7日を過ぎ、8日以上続くようだと「過長月経」の可能性が高いです。

もちろん生理は個人差があるものなので、初経を迎えた時から毎回8日以上続いており、検査をしても特に異常がなければ問題ありません。
これまでは平均的な日数で終わっていたものが、突然8日以上続くようになった場合には注意が必要です。
過長月経の場合、自ずと経血量が増えていることから貧血のリスクも高まります。
過長月経の影響からめまいや立ちくらみ、動悸、息切れなど症状が見られる場合は早めに婦人科を受診しましょう。

期間は長くても経血量が少なければ過長月経ではない?

先ほども述べたように、過長月経の場合は期間が延びることでその分経血量も増えてしまいます。
しかし、中には8日以上続いているが経血量はかなり少ないという方もいるでしょう。

経血量が少ないものの8日以上経血が出ている場合は、不正出血である可能性が示唆されます。

膣内で不正出血が起きている場合、主な原因は6つ挙げられます。

性感染症による炎症

淋菌やクラミジア、トリコモナスなどに感染した場合、子宮頚部や膣内で炎症が発生してしまいます。
この状態で性交を行うと出血してしまう恐れがあるのです。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れ

思春期や更年期といったホルモン分泌が不安定な時期や大きなストレスを抱えている場合、ホルモンバランスの乱れによって不正出血を引き起こすこともあります。
ストレスや加齢などが要因の場合、排卵がうまくいかないとプロゲステロンが分泌されないまま卵胞の退縮が始まります。
さらにエストロゲンの分泌量も低下してしまうため、不正出血につながってしまうのです。

膣や子宮、卵巣などの病気

膣や子宮、卵巣などに病気が発生し、その影響で出血を起こしている場合があります。
不正出血を起こす可能性のある病気には、卵巣腫瘍や子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎、子宮頚管ポリープ、子宮頸がん、膣炎、膣がんなどが挙げられます。

妊娠の初期症状

妊娠初期

妊娠の初期症状として出血が起きる場合もあります。
妊娠初期ということもあり、流産するのではないかと不安に陥る方も多いでしょう。
しかし、妊娠初期の出血は生理現象として発生しているものも多く、赤ちゃんには影響しないケースもあります。
不安であれば医師に相談してみると良いでしょう。

性交でできた傷

子宮頚部や膣などは非常にデリケートな部分です。
性交によって傷がつき、出血する恐れもあります。
特に膣が乾いた状態のまま性交に及んでしまうと出血するリスクが高まってしまいます。

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これらの不正出血も状況によっては出血の量が多く、生理のように見えてしまう場合もあるでしょう。
中には性感染症や病気などが原因で起きるものもあるため、長く続くようであれば医療機関への受診をおすすめします。

過長月経と過多月経は何が違う?

過多

過長月経は生理期間が延びることで自然と経血量も増える場合があります。
そんな過長月経とは別に、過多月経 という症状もありますが、どちらもただ経血量が増えているわけではありません。
生理による経血量は人によって異なるものの、正常な量は20~150mlとされています。

しかし、150ml以上の経血量でなおかつ経血に血の塊が混じっている場合は過多月経と定義づけられているのです。

過長月経の場合はあくまで出血が8日以上続いた場合と定義されています。
このように定義から過長月経と過多月経は異なるもの と言えるでしょう。

過長月経を改善するには?

過長月経には様々な原因があるため、自身に当てはまるものを治療・改善していけば過長月経も改善されます。
具体的にどのような治療法・改善策があるのか、解説していきましょう。

ピルの服用

ピル

ホルモンバランスの乱れなどが原因の場合、正常に整えるために低用量ピルを使った治療法が取り入れられます。
低用量ピルを服用することで生理周期が整い、安定させる効果が期待できます。

病気の治療

膣や子宮、卵巣などに病気があり、それが原因で過長月経を引き起こしている場合は、まず病気の治療に取りかかります。
例えば子宮筋腫の場合、大きいものだと手術をして筋腫だけ取り除くか、もしくは子宮を丸ごと取り除きます。
薬で症状を軽くすることも可能ではありますが、女性ホルモンの分泌量が低下することで骨量が減少したり、更年期と同じような症状が出やすくなったりします。
しかも治療を止めてしまうと筋腫が元の大きさに戻ってしまうことから、薬による治療は手術前の一時的なもの として利用されることがほとんどです。

生活習慣の見直しと改善

起床

普段の生活習慣がホルモンバランスに大きく影響している可能性もあります。
そのため、過長月経に悩む人は生活習慣の見直しを図ってみましょう。

まず食事はタンパク質を中心に、栄養バランスに優れた食事を意識して摂取してみてください。
毎食になるべく野菜を取り入れることも忘れないようにしましょう。
次に、定期的に運動も取り入れることもおすすめです。
運動は自律神経の働きが正常化され、ホルモンバランスも整いやすくなります。
ここで重要となってくるのが、「継続できるかどうか 」です。
運動を行う難易度が高いとどうしてもサボりがちになってしまいます。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、まずは続けられそうな運動を選び、無理のない範囲で始めてみましょう。
また、生活習慣の見直しでは睡眠も重要です。
主に女性ホルモンは睡眠中に分泌されていることから、質の高い睡眠ができる環境づくりをしてみましょう。
簡単にできることで言えば、就寝3時間前までには食事をすべて済ませておき、1時間前にはテレビやスマートフォン・タブレットなどを見ないようにすることが挙げられます。

「膣内洗浄で生理が早く終わる」のは本当?

洗浄

生理の最後2~3日は膣や子宮内に残ってしまった経血が徐々に外へ排出されていくだけなので、膣内洗浄を行うと残った経血が洗い流され、生理を早く終わらせられる と言われています。
実際には子宮内に残っている経血までは洗い流せないため、場合によっては膣内洗浄をした後も経血が出てくることもあります。
また、膣内洗浄には直接的にホルモンバランスへ作用するような効果はないため、過長月経の根本的な解決には至りません。
しかし、膣内洗浄を行うことで少しでも早く生理期間を終わらせられたり、生理中の不快感を解消できたりします。

膣内洗浄も活用しつつ、過長月経の改善に向けて上記で挙げた治療・改善方法を取り入れるようにしましょう。
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今回は、過長月経の原因や治療・改善方法についてご紹介してきました。
過長月経は8日以上月経が続く症状を指しており、ホルモンバランスの乱れや病気など、様々な要因から起こり得るものです。
原因に心当たりが特になく、過長月経に不安を感じている方は婦人科を受診してください。
また、生理期間の後半に膣内洗浄を行うことで生理が早く終わったり、不快感を解消できたりもするので、うまく活用してみると良いでしょう。

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