誰もが訪れる更年期は、多くの女性にとって身体的、精神的な変化の大きい時期です。
閉経前後10年間を一般的に更年期と呼びますが、この体の変化に気が付かず、不快に過ごしてしまう女性も多いでしょう。
特にデリケートな部分に関する悩みは周囲に打ち明けにくく、心の中で不安な気持ちをしまい込んでしまう方もいます。
そこで、この記事では関心が高まっているフェムテックと更年期についての関係や更年期に取り入れたいオイルマッサージについてご紹介します。
更年期を快適に過ごしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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フェムテックが更年期を快適にするって本当?
今、フェムテックという言葉が女性の間で注目されています。
そもそもフェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた言葉であり、女性が抱えやすい健康問題を快適にするサービスや商品を意味するものです。
2016年頃から徐々に浸透していき、日本では約50社がフェムテックに関連するサービスや製品を提供しています。
フェムテックは生理痛、PMSなど女性特有の健康問題に特化していると思われがちですが、実は更年期真っ只中の女性の悩みも解決できるのです。
更年期のフェムテックが知られるようになったきっかけは、閉経関連尿路生殖器症候群(GSM)が新たに疾患として提唱されたからです。
閉経関連尿路生殖器症候群は、女性ホルモンの低下により起こる泌尿器の症状となり、頻尿、尿漏れ、性交痛、陰部の痛み、かゆみなどの症状が起こるものです。
今まで老人性膣炎と呼ばれていましたが、2014年からは新たな概念となりました。
慢性的または進行性の疾患で閉経後約50%の女性が、何かしらこれらの症状を感じていることもわかっています。
これは、閉経したことで女性ホルモンがピーク時の1/10になる ことが原因ですが、このままにしておくと症状が悪化してしまい、外陰部や膣の萎縮を起こしてしまいます。
生活の質が低下すると、閉経後は不安や不快感を抱えたままになってしまいますが、更年期であることを認めてフェムテックを取り入れることで、生活の質を向上できます。
また、フェムテックによって健康寿命延伸の可能性もあるので、更年期前から適したフェムテックを取り入れるようにしましょう。
更年期に取り入れたいフェムテックは?
更年期にもフェムテックが重要なことは理解できたものの、どんなフェムテックを取り入れるのかわからない方もいるでしょう。
そこで、更年期にはどのような症状が出やすいのかを見ていきましょう。
・のぼせ
・顔のほてり
・動悸
・息切れ
・大量の発汗
・頭痛
・耳鳴り
・めまい
・月経不順
・イライラ
・興奮状態
・憂鬱な気分
・不安
・不眠
・腰痛
・膀胱炎
・尿失禁
・関節痛
・陰部の炎症や乾燥
・気分の落ち込み
・疲れやすい
・不安感
・無気力
更年期には、このように多くの症状が女性を悩ませているだけでなく、精神的にも辛い時期になりやすいようです。
しかし、このような体の変化を把握し、少しでも快適に過ごせるようにすることで、症状の緩和が期待できます。
ここでは、更年期に取り入れたいフェムテックについてご紹介します。
アプリなどのサービス
更年期特有の辛さや不快感を軽減したい時に便利なのが、アプリなどのサービスです。
更年期などで体調管理をするものや支援に特化したものもあります。
専門のオンラインストアもあるので、自分に合ったものを見つけて日頃の体調や気分の変化を管理してみましょう。
化粧品や医薬部外品
尿漏れや尿失禁が心配な方向けに、パットやショーツも販売されています。
さらに、陰部や膣の不快感を軽減できるデリケートゾーンの洗浄剤、膣マッサージに使用できるオイル、ジェルなどもあります。
悩みに合わせたアイテムを取り入れると、更年期の辛さが軽減できるでしょう。
トレーニング
女性ホルモンの低下に伴い、筋力の衰えを感じる方もいるでしょう。
このような悩みを抱えている場合は、簡単にできる膣トレーニングも効果的です。
骨盤底筋を鍛えることで膀胱、子宮、直腸などを鍛えられるので、尿漏れや臓器脱の予防となります。
クリニック
クリニックでは、閉経関連尿路生殖器症候群による治療などができます。
ケア用品の購入も可能ですが、局所的なホルモン補充療法、先進医療施術なども可能です。
ただし、保険適用で対応できないこともあるので注意してください。
更年期にはオイルがおすすめ!
フェムテックアイテムは様々なものがあり、自分に合ったものを見つけて取り入れることで更年期特有の不快感を軽減できます。
さらに、更年期に重要になってくるのがデリケートゾーンのケアです。
更年期になると、女性ホルモンの低下によってエストロゲンが減少します。
更年期特有の現象なので誰もが乾燥しがちになりますが、特にデリケートゾーンの乾燥をそのままにしておくと、下着、衣類、ナプキンなどのムレによって刺激を受けやすくなります。
乾燥したままの状態ではかゆみ、ヒリヒリとした痛みに加えて、ニオイも気になってしまうでしょう。
特に閉経後は膣の粘膜が固く萎縮するような現象が起こりやすく、うるおいが足りない状態になるため、オイルケアをすることで伸びやかで柔らかい膣に変化していきます。
オイルはどんなものを使うべき?マッサージ方法は?
フェムテックケアアイテムとして取り入れたいオイルですが、どのようなものを使うべきでしょうか?
オイルを使う際に気を付けたいのは、自然由来という点です。
膣はとてもデリケートな部分であり、健康的な膣内環境を整えなければ不快感が軽減できません。
膣内環境は、善玉菌が優勢になるようにpHバランスを維持する必要があります。
膣内洗浄は定期的に行い、pHバランスが崩れないように注意しましょう。
使用するオイルは、できるだけ自然由来のものにして刺激を受けないものを選ぶのがおすすめです。
フェムテックに特化した商品であれば気にすることなく安心できますが、アルガンオイルはビタミンEが豊富なので高い抗酸化作用が期待できます。
ホホバオイルは高い保湿力があり、ティーツリーオイルは皮膚トラブルの緩和が期待できるオイルです。
マッサージ方法
②第2関節まで膣に入れて、膣の壁をゆっくり押しながらお腹側に回していきます
③親指にオイルを塗って、第2関節まで肛門側に向けてゆっくり入れます
④お尻側の膣の壁をゆっくり押していきます
このような方法で、マッサージしてみましょう。
できるだけリラックスした状態で行うのがおすすめなので、寝る前に布団の上で始めてみてください。
最初は慣れないかもしれませんが、日々行っていくと膣周辺の皮膚に柔らかさが出てきます。
オイルによって潤いと血行促進ができると、膣の収縮や緩みがコントロールできるので尿漏れなどの改善にも期待できるでしょう。
更年期になると、体と心に大きな変化が訪れます。
このままにしておくと、辛い更年期になってしまうので、早めのフェムテックがおすすめです。
オイルを取り入れたマッサージは、以前のような膣の柔らかさや潤いが期待できるだけでなく、簡単にできる方法でもあります。
この機会にオイルマッサージを始めてみましょう。
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